廃棄物の削減やその有効活用を通じて沖縄の最大の観光資源とも言える自然環境の保全に取り組み、美ら島の美しい自然を次の世代に引き継ぎます。
オリオンビール唯一の工場である「名護工場」では、2006年以来、製造に伴い生じる廃棄物の100%再資源化 (ゼロエミッション) を達成し、現在も継続しています。
また、ビールの製造工程において、月平均で10トンほど排出される「麦芽粕 」の再資源化を進めています。
(1) 麦芽粕の堆肥化
琉球大学や地域企業、農業者などと連携して亜熱帯の沖縄における大麦の栽培と、それら大麦の麦芽粕の堆肥化に成功しました。
本堆肥で育った沖縄県伊江島産大麦を当社ビール製品の副原料として活用し、その仕込みの過程で生じた麦芽粕を再度堆肥化して伊江島の麦畑で利用するという「完全循環型大麦」の栽培に貢献しています。
2021年6月より、この「完全循環型大麦」を副原料としたビール製品の販売を行っており、2023年現在、オリオンビールのビール製品に活用されています。
(2)麦芽粕の肥料化
沖縄県内の農水産業者にとって課題であった「飼料の高騰化」の解決に向けて、様々なステークホルダーと連携して取り組みを進めています。
【陸上養殖魚の飼料】
琉球大学や自治体、民間企業等と連携して、「琉大ミーバイ」陸上養殖研究・社会実装のプログラムに参画し、麦芽粕を養殖魚の飼料の一部として提供しています。
また、そこで育った琉大ミーバイをグループホテルのレストランメニューに採用し、サステナブルな食材として、多くのツアーや宴席で利用いただいています。
この取組は、22年1月、国立科学技術振興機構 (JST)「共創の場形成支援プログラム (COI-NEXT) 本格型」に採択されました。
【沖縄県産黒毛和牛の飼料】
また、沖縄県ブランド牛である「もとぶ牛」の飼料として、1993年から麦芽粕を利用していただいております。もとぶ牛は、農林水産大臣賞や和牛オリンピックで1等を受賞するなど、高品質な黒毛和牛の育成に貢献しています。