人権と労働課題への対応
従業員代表と経営層の対話の取り組み、エンゲージメント目標
オリオングループの中でもオリオンビール株式会社に労働組合があり、一般社員が組合に加入する事ができます。
オリオンビール労働組合と経営にて定期的な労使協議会 (年10~20回程度) を開催し、労働条件や従業員の働く環境等、組合員から寄せられた提案やテーマに対して意見交換・双方にて改善策を見出し、実施しています。
オリオングループでは、2028年度までに従業員エンゲージメントスコアをグループ3社平均で「70ポイント」獲得することを目標に、双方向のコミュニケーションを密に取り、経営と従業員の信頼関係を深めることで労使一丸となって企業価値の向上に努めて参ります。
過剰労働時間の削減の取り組み
働きやすく、働きがいのある環境を実現するために、社員が心身共に健やかで安心、また仕事と生活が共に充実したものとなるよう長時間労働を防ぐとともに有給休暇の取得促進に取り組みます。具体的には、月中の長時間労働者予備軍に対するアラートや経営会議での残業時間報告を行っています。また労働時間が長い社員へは産業医面談の実施が義務付けられており、客観的勤怠の記録を確保すべくITの活用を導入しています。
また、業務の繁閑や特性に合わせた働き方ができるよう、バックオフィスの社員を中心に在宅勤務を推奨、またコアタイム無しのフレックスタイム制度を導入しています。育児や介護などライフイベントに伴い配慮が必要な場合の休業制度に加え、誕生日休暇など法定以上の休暇も整備しています。
労働安全衛生と健康
考え方
オリオングループは、従業員の労働安全衛生および健康の確保が最優先であるという考えのもとに、次の3つの指針を掲げ、既存事業、新規事業において労働安全衛生に関するリスク評価を行い、継続的にその低減に努めるとともに、社員の心身の健康に配慮した経営を推進していきます。尚、この考えは各生産業務を請け負う協力会社にも適用しています。
- 従業員の安全且つ快適な労働環境を整備し、働きやすい職場づくりを行う
- リスクアセスメント、危険予知訓練 (KYT) 等のツールを活用し、危険有害要因の除去や低減に繋げる
- ヘルスケア、メンタルヘルスケアを実施し、心身ともに健やかで安心な生活を送れるようサポートする
目標
上記取組の実効性を高めるために、全従業員に対し、労働安全衛生に関する研修を年に1回、また、保健師との面談を年に1回必ず受診させることを今後も目標として立て、継続して実施してまいります。
また、オリオンビール株式会社においては、酒類に携わる企業として従業員の健康については特に留意し、2027年度までに従業員のBMI指数(”Body Mass Index”の略。ボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数)について、その適正体重者の割合を「全従業員の66%」に高めることを目標に、具体的な健康経営施策を展開して参ります。
また、安全衛生管理規程に基づいて、安全で衛生的な環境の維持・整備に努めており、各事業所では、安全衛生について統括・管理する「安全衛生委員会」を設置し、それぞれの職場における問題点・改善点を確認して対策を講じています。 また、安全衛生委員会は生産本部長・人事総務本部長が委員長を務め、労働安全衛生委員会の委員である労働組合員や労働者代表との議論を、月に1回の頻度で行っています。
労働安全衛生に関わる規程
今後もオリオングループは、従業員の職場での安全確保のための活動を徹底するとともに、健康増進に向けた取り組みも積極的に推進していきます。
雇用機会均等と同一労働同一賃金
考え方
国際労働機関 (ILO) の条約は、ILO加盟国に向けたものであり、会社の個人に向けたものではありません。オリオングループは、世界的に認められる労働基準を達成するというILOの目標を支持します。
オリオングループは、人種、肌の色、信条、出身国、宗教、年齢、性別、ジェンダー、性的指向、性自認、身体的または精神的健康、病状または遺伝情報に関係なく、法律および規則の下での全ての適格者に、法律および規則に従って均等な雇用機会を与えます。
雇用の均等の約束は、以下を含むもののこれらに限らない雇用の全過程に及びます。 募集、採用および解雇、成長の機会、啓発および昇進、訓練プログラムに関する従業員の選定ならびに賃金および手当の決定。
多様性と働きやすさの推進
取り組み
オリオングループでは、 様々な価値観や考え方を持つ多様な人財がそれぞれの個性や能力を十分に発揮することが、企業の成長につながると考えます。性別・性的指向の違いで組織から排除されることを許容しません。性の違いのみならず沖縄県、県外、海外からどこからいらしても、どのような家族構成でも誰もが働きやすい組織文化づくりを推進しています。採用・昇格などにおいても実力に応じた評価を行っております。
性別に関係なく働きやすい職場環境づくり
性別に関係なく長く働きたいと思える会社を目指しており、具体的には以下の活動を行っています。
定年後再雇用制度
オリオングループでは、 満60歳の定年を迎えた社員がこれまでの豊富な経験や高度なスキル・技能を活かして働き続けられるよう、定年再雇用制度を導入しています。
定年を控えた社員には人事部が個別に面談を行い、本人の希望と会社の必要性を鑑みた活躍できる場をグループシナジーも活かしながら情報提供し、機会の提供を行います。
LGBTQの理解、地域貢献を考える「HR Day」の開催
オリオングループではオリオングループ人権方針およびORION WAY 社員「私たちは、お互いの個性や立場の違いを尊重しなければならない。」の中であらゆる違いを尊重することを表明しています。性的マイノリティLGBTQへの理解を深めるために2021年5月にはグループ役員15名に続き、8月には23名のオリオンビール管理監督者へ、10月には300名の従業員に向けて「ダイバーシティな社会、地域貢献への関わり合いなどを考える「HR Day」を開催しました。
いじめやハラスメント事案への対処
オリオングループがコンプライアンス違反・ハラスメントを引き起こした、または直接関与したことが明らかになった場合には、適切な手続きのもとで被害者の救済に取り組みます。コンプライアンス違反・ハラスメントを含む人権問題に関する相談もできる内部通報窓口として、オリオングループに勤務する全ての役職員が利用できる内部通報制度を設けて対応しております。相談内容・ご意見は秘密として取り扱い、匿名性を担保しています。
また、社内通報窓口のみならず社外相談窓口も整備しており、外部弁護士への相談・通報も可能です。
通報内容を調査し、コンプライアンス違反と確認できたものについてはすべて是正対応を実施しております。
従業員と多様性に関するデータ
オリオンビール「従業員数」「平均年齢」「平均勤続年数」
従業員数(名) | 267名 |
平均年齢(歳) | 43歳10か月 |
平均勤続年数(年) | 10年3か月 |
管理職に占める女性労働者の割合
2023年度 | |
---|---|
オリオンビール株式会社 | 7.0% |
オリオンホテル株式会社 | 18.9% |
株式会社石川酒造場 | 50.0% |
男性労働者の育児休業取得率
2023年度 | |
---|---|
オリオンビール株式会社 | 57.1% |
オリオンホテル株式会社 | 16.7% |
株式会社石川酒造場 | 0.0% |
労働者の男女の賃金の差異
2023年度 | |
---|---|
オリオンビール株式会社 | 52.2% |
うち正規雇用労働者 | 82.0% |
うちパート・有期労働者 | 62.3% |
オリオンホテル株式会社 | 64.2% |
うち正規雇用労働者 | 75.7% |
うちパート・有期労働者 | 81.2% |
株式会社石川酒造場 | 48.9% |
うち正規雇用労働者 | 80.8% |
うちパート・有期労働者 | 32.5% |
人財育成
私たちはORION WAYで「公正な教育の機会を提供し、職務に対する公正な評価をしなければならない。」事をコミットしており、人財開発においての基本理念を以下のように設定しています。
人財開発の基本理念
- 組織および人財開発を通じた社員のエンゲージメントを高めます。社員を大切に育てることにより、社員の 「組織への愛着」 を高め、ひいては持続的な組織の成長を図ります
- 一人ひとりの「自律」「成長」 につながる教育支援を行います。自ら学ぶ意思を明確にし、継続的な成長を願う社員を積極的に支援します
- 社員にとって公正な教育機会を提供します。ばらまき型の教育ではなく、目的合理性があり、研修効果を十分に望める社員に積極的な教育機会を設けます
- 各人のジョブデザイン (申告) に基づくサポートをします。現状の職務・役割をベースに自分がどうありたいかという意思を尊重した支援を行います
- 人財が育つ風土 (体系的・長期的な人財育成システム) を構築し、運営を継続します
あくまで日常業務が育成の普遍的な機会であるという組織文化を樹立します。
研修・人財開発プログラム
上記の方針に基づき、主として下記のプログラムを実施しています。
- 幹部育成: 次期経営幹部育成を目指して行う。対象者は経営幹部がノミネート。隔年開催。
- 管理職育成: マネジメントスキル醸成を目指し、全管理職が対象。毎年開催。次世代リーダー育成: 次期管理職およびビジネスリーダーの早期育成を目指したプログラム
- 次世代リーダー育成: 次期管理職およびビジネスリーダーの早期育成を目指したプログラム
- 一般職育成: 基本的なビジネススキル、コミュニケーションスキルの醸成を目指したプログラム
- 各種スキルトレーニング: ロジカルシンキング、プレゼンスキルなどビジネスに必要なスキルの習得を展開しています。
これらのプログラムにより、個人の「成長」「自律」の支援を通じた組織生産性の向上、人材育成システムの継続的遂行による高度な専門性に支えられる強い組織の確立、および 「学び」風土を最優先する行動文化の形成を目指しています。